シロナガス島への帰還
英語版でのタイトルは Return to Shironagasu Island なんですけど、これの時点で Return to the Obra Dinn との謎の既視感を覚えました。いや、内容はぜんぜん違うんですけれど。
内容について
知ってる人がどれくらいいるかわからないんですが、以下の作品を混ぜて割ったような感じの内容でした。
てか、内容的には完全に「リトル・セント・ジェームズ島」なんですよね。
で、ググってみたらまさかの作者さんが言及していました。
(;ー ω ー)そういや…シロナガス島に関して、よく「例のエプスタイン島をモチーフにしたのでは?」的な意見を目にするのですが…(中国のレビュアーとかも言ってた)ゲーム自体、2018 年に完成してコミケで頒布してますから、あの事件が明るみに出る前なんですよ…。なのでまったく参考にはしてません…。
(´・ω・)シロナガス島への帰還はエプスタイン島の事件を 0.1㎜ も参考にしておりませぬ。何故ならば、エプスタイン島の事件が明るみになったのが 2019 年、シロナガス島の初版をコミケで販売したのが 2017 年の夏だからです。
だそうです。まさに事実は小説より奇なりというやつですね。
でもこれ書いちゃうとエプスタイン島の件を知っている人なら最初から話のオチが分かってしまう感じもしますね、自分もそうでした。
脚本について
ミステリー・SF・ホラーのようなジャンルに分類されると思うのですが、個人的にはミステリー 1 割、SF6 割、ホラー 3 割という感じでした。
純粋ミステリだと思ってプレイするとがっかりするかもしれません。
というのも、そもそも SF 的要素が強いことと、プレイヤー視点から見ると問題のない行動でも、全てを知っている超越的な存在あるいは別の登場人物視点からすると非合理的な行動をとっている点がいくつか見受けられるためです。
前提条件
このゲームには四つの勢力があり、それらの関係性について話が展開していきます。
屋敷サイド | 犯人サイド | 潜入者サイド | 招待客サイド | |
---|---|---|---|---|
屋敷サイド | - | 解除コードが欲しい | いると思っていない | 裏切り者への制裁 |
犯人サイド | 抹殺したい | - | いると思っていない | 抹殺したい |
潜入者サイド | 先に解除コードが欲しい | 特定したい | - | 調査対象 |
招待客サイド | ? | 特定したい | いると思っていない | - |
これらがまず、どういう関係なのかを理解しておかなければいけません。
何故馬鹿正直に島にくるのか
招待状の内容が正しいのなら「屋敷を利用していた中に裏切り者がいるので話し合いたい」ということです。
そんな内容の招待状を受け取ったのなら本人がのこのこ来るわけないと思うのですが。
エドモンド氏殺害の謎
ゲーム序盤に殺されてしまうエドモンド氏なのですが、何故殺されたのか謎です。推理パートでは「不意を突かれた」ということなのですが、よく考えてみましょう。
エドモンド氏はそもそも「招待客の中に裏切り者がいて殺そうとしている」という立場です。その上で、裏切り者を含めた屋敷の利用者に招待状を送っているのですから、裏切り者が「バレる前に殺してしまおう」と考えてくることは容易に想像できます。
だから部屋に入るときにメイドに入り口を見張らせていたわけですが「犯人が窓から入ってきたので不意を疲れて殺されちゃった」みたいな内容だったと思います。入った部屋では何らかの方法で意識を失わされただけで、実際に殺されたのはその隣の部屋でした。
何故部屋を変えたのか
二つの部屋の間には秘密の通路はないので、移動させるには必ず廊下を通る必要があります。
当然、誰かに見られる恐れがあります。その危険性を犯してまで部屋を変える必要があるのかということです。確か推理では「隣の部屋だと声が聞こえるかもしれないから」みたいなのがあったような気がしますが、部屋を変えるほうがリスクありそうな気もします。
うーん、まあでも一回だけのリスクを取ればその後のリスクが下がるならアリなんでしょうか。
メイドは何をしていたのか
そもそも、エドモンド氏が油断していた理由の一つに「入り口をアビーに見張らせていたから中に人がいるとは思わなかった」という推理が展開されていました。
でもアビーが外を見張っていたなら「あれ、エドモンド氏が部屋に入ってからでてこないですね」ってなると思うんですけど。そもそもあの部屋は待ち合わせに使われていただけで、エドモンド氏の部屋ではないので(主人にはプライベートルームがある)、長時間入っておく理由もなく、入った後出てくるまで待ってても全然おかしくないと思うんですが、何故部屋から出てこないことに気づかなかったのでしょうか。