Quantumleap
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お気持ち表明

BAN 実施#

[ご注意]『スプラトゥーン 3』において当社サーバーに不正にアクセスし、負荷をかける等の影響を与える非正規アプリの存在を確認しております。このようなアプリの利用は当社サービスの利用規約違反にあたるため、利用を確認した際、サービスの利用停止等の対応をとることがあります。ご注意ください。

さて、せっかくなので色々話したいと思います。

ちなみに上記の任天堂株式会社の決定に対して私は一切の異存はありません。自分たちのサービスなのですから、自分たちの方針で好きに方針を決めれば良いと考えています。

方針転換の理由#

今までニンテンドースイッチオンラインアプリ(以下、公式アプリとする)は表立っては言わないものの非公式アプリを排除するための対策を何度も実施してきました。

それが、イカリング 3 にアクセスするために必要なトークンを生成する際に必要なパラメータであるfの計算方法の変更です。この変更は最初は効果を上げましたが、最近では完全に攻略されてしまい全く意味のない変更になってしまっています。

よって、認証方法を変更することで非公式アプリを排除することはできなくなりました。

そこで、次に非公式アプリ開発者に圧力をかけリリースを取り下げる方針に変更しました。これが、今年の五月末の出来事になります。これでいくつかのアプリはストアから姿を消しましたが、アプリとしてリリースされていないような s3s や開発が海外の方だと思われるホラガイベイなどはリリース・更新が続けられていました。

私が開発していた Salmonia3+もその一つで、アプリ内に任天堂の著作物が含まれている点をクリアすればアプリ自体に違法性はなく再リリースが可能だという認識でいました。

詳細は伏せますが「違法性についての主張は根拠に乏しいのではないか」ということは、専門家の方の見解も踏まえての判断であることを明記しておきます

そして、ここでアプリの開発側を法的に押さえつけることは困難であると判断し、アプリの利用者側を BAN することに方針転換したのではないか、というのが私の見解です。

BAN は妥当か#

サービスを運営しているのが任天堂株式会社である以上、サービスを利用する上で任天堂が好き勝手できるのはユーザーが納得するかどうかを無視すれば当然のことなのではないかと思います。

自分たちが気に入らないアプリを使っている人は利用を制限する、最もな主張だと思います。

よくある質問#

非公式アプリの違法性#

現時点ではいいえ、です。

公式アカウントも言っているように「利用規約」違反での BAN です。利用規約は法律ではありません。

BAN の種類#

現在わかっている限り、イカリング 3 が利用できなくなる類の BAN です。

オンラインプレイなどは通常通り遊べます。また、イカリング 2 などの別のゲームのサービスは通常通り利用できます。

本来 BAN されると任天堂からメールが届くはずなのですが、それすら届かないらしいので突貫工事でつくった BAN なのだなあという印象です

BAN 解除#

任天堂のみぞ知るという感じです。二週間かもしれませんし、無期限かもしれません。

無期限ってことはないと思いますが

BAN の理由#

公式は明らかにしていませんが、恐らく特定の API を叩いた事が理由です。

スプラ 3 が重い理由#

ゲームの通信が重い、あるいは通信エラーがでるのは NPLN サーバー(マッチングサーバー)の問題であり、イカリング 3 とは全く関係がありません。

当然、イカリング 3 のデータを集めている非公式アプリとも関係がありません。

イカリング 3 が重い理由#

いいえ。非公式アプリが存在していない初期の段階からイカリング 3 を使われていた方は知っていると思います。元々、そういう仕様です。

負荷について#

公式アプリの使い方によってははいともいいえとも言えます。

非公式アプリは一度取得したリザルトは二回目以降はサーバーへのアクセスを行いません。なので仮に 100 回分リザルトがあれば 100 回のサーバーへのリクエストが発生します。

一方、公式アプリはリザルトを見ればその度にリクエストが発生します。何度もリザルトを見返すようであれば公式アプリではその度に通信が発生するので非公式アプリより負荷がかかりますが、普段全然イカリング 3 を見ない人であれば非公式アプリの方が負荷がかかっているといえます。

とはいえ「同一のリザルトは一回しか取得しない」ので、これで「負荷がかかっています」と言われてもちょっと微妙な気持ちはあります

さいごに#

認証方法の変更での非公式アプリの淘汰が不可能であるとわかると、非公式アプリの違法性を主張するなどして徹底的に「非公式アプリを排除」しようとしてきたのに「利用者を処罰する」という方針に変更したのは、「非公式アプリの違法性に付いての主張は法律上道理が通らない」ということを自ら認めたようなものではないかという思いがあります。

もしそうであれば、法律上問題がない非公式アプリを利用しているユーザーを「不正行為」として「BAN」していることになります。これが例えば自動周回スクリプトやアシストツールなどであれば理解できないわけではないのですが、ただリザルトを収集しているだけのツールを使っているだけで BAN するのは「利用規約上、自分たちがルールである」とはいえ「そんなことしちゃいます?」という感じです。

そうでないなら上の話はどうでもいいです

長くなりましたが結論から言えば「えっ、そんなのでユーザーを BAN しちゃうんですか」という正直な気持ちがある一方「そう決めたなら仕方ないよね」という感じです。

何をすれば BAN されるのかはなんとなく想像がついているので BAN 対策自体は簡単ですが、逆にその BAN 対策の対策も簡単でイタチごっこになるのは目に見えています。また、アプリ開発者としてユーザーが(理由が正当かはさておき)BAN されかねないアプリをリリースすることは本意ではありません。

なので元々は九月中に App Store へのリリースを検討していましたが、これは一度取り下げようと思います。また、アプリをリリースしなければデータが集まらないので Salmon Stats の更新も一旦停止しようと思います。

ただし、BAN 覚悟で使いたい方はいるかも知れないのでソースコードは公開しようと思います。

なんかあんまりまとめっぽくないですが、まあ足りない分は Twitter などでちまちま発信しようと思います。

お気持ち表明
https://fuwari.vercel.app/posts/2023/09/announcement/
Author
tkgling
Published at
2023-09-15